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最強・裏エアライン列伝(格安航空会社・東南アジア編) [旅関係あれこれ]

前日に続き、世界の格安航空会社を取り上げます。今回は欧州に続いて近年、格安エアラインが大量に誕生した東南アジア編です。


ところで、格安航空会社のチェックインカウンターに行くと、一般の大手航空会社のチェックインとは方式が少し異なることに気づく。カウンターが複数並んでいてもどこのカウンターでもチェックインができるわけではなく、行先、便別にカウンターが分けられているのだ。これは、コスト削減のためにチェックインのオンラインシステムを導入していないためで、それぞれの便別に分けられたカウンターでは、打ち出された搭乗者名簿に記載されたチェックイン済みの乗客の名前を蛍光ペンで塗りつぶしていくという、なんとも古典的な方法でチェックインが行われる。

むかし、航空便のチェックインでは座席番号を記した小さなシールを搭乗券に貼ったりしていたが、それを髣髴とさせるものがある。そして搭乗券は荷物タグと一緒に自動的に打ち出される・・・はずはなく、予め便名が印刷された搭乗券に乗客の名前を手書き、もしくは一応"Boarding Pass"とかかれたスーパーのレシートのような紙切れを渡される。さらには、便名の書かれたプラスチック製のカードを渡され、搭乗口で回収されることもある。こんな状況なので、ほとんどの場合、機内では自由席となる。

 

エア・アジア(Air Asia)
マレーシアに本拠を置き、さらにタイ、インドネシアの子会社を含め、東南アジア全域に路線網を持つ、域内最大の格安航空会社。ちなみに、英語での発音は「エア・エイシア」。欧州のイージージェットなどの、余計なサービスを一切行わない「ノー・フリル」の格安エアラインのビジネスモデルをそのままアジアに持ち込んで成功した最初の例で、これ以降、アジアにも多くの格安航空会社が誕生することになった。

予約は本家イージージェットなどと同じく、自社HPからの予約が基本であるが、欧州などに比べて同地域はインターネットやクレジットカードの普及率が低いため、コールセンターや旅行代理店を通じた従来型の予約方式も比較的多い。

逐次、運賃は変動していくが、マレーシアは人件費が安く、産油国でもあるため、安価なチケットが比較的容易に見つかる。直前の予約でなければ、ほとんどの場合、3,000円以下でマレーシア国内、あるいは近隣諸国への移動が可能となる。このような低価格戦略で、外国人や一部の富裕層のための贅沢な乗り物であった飛行機が一気に庶民的になり路線網が拡大、経営難の国営マレーシア航空から一部幹線を除く国内線の運航を移管されたり、中国やベトナムへの路線開設など、その勢いは当面続きそうだ。

・・・と、真面目な話ばかり書いても面白くないので、何度もこのエアラインを利用した感想から述べさせてもらうと、異様に前後の座席の間隔が狭いのが特徴でもあったりする。日本や欧州などの航空会社に比べ、同じ飛行機でもおそらく数列は座席を余分に入れているような気がするほど、狭いのである。もともと身体も小柄で、普通のセダン車に10人くらい平気で乗ってしまうようなアジアの人からすればこの程度の狭さはまったく気にならないのだろうが、運悪くこのエアラインに載ってしまった大柄な白人などは気の毒なほど窮屈そうに身体を折り曲げて座っていたりする姿を時折目撃したりする。

運賃が安く、バスのような感覚で気軽に利用できる上、便数や就航都市数も多いので、クアラルンプールやバンコクまで飛んでから、エア・アジアで目的の都市に移動するという使い方は日本人旅行者にとっても有用である。日本語のHPはないが、予約もクレジットカードがあればインターネットで簡単にできる。

 

 

ジェットスター・エアウェイズ(Jetstar Airways)
オーストラリアのカンタス航空の子会社で、東南アジア内路線のほか、豪州での国内線、さらには豪州~アジア各都市の長距離便も運航し、来年3月には関空就航を予定。東南アジア路線はシンガポールをハブとし、タイ、フィリピン、香港、インドネシアなどに路線を展開している。シンガポール~バンコク間を利用したことがあるが、機材も新しく、2時間程度のフライトであれば何のサービスがなくてもまったく問題はなかった。また、この会社とほぼ同時期に設立され、さらに同じくシンガポールをベースとし、バンコクや香港へのフライトを持っていたValuairという格安エアラインがあったのだが、2005年、ジェットスターに吸収合併された。エア・アジア以降、東南アジアでは格安航空会社が乱立気味で、過当競争による淘汰が始まっているとの見方もできる。

 

 

タイガー・エアウェイズ(Tiger Airways)
シンガポール航空が出資する格安航空会社で、前述のジェットスターと同じくシンガポールをハブとし、エアバスの最新機がタイ、中国、ベトナム、フィリピンなどに飛んでいる。時々、激安のキャンペーン料金を発表することでも知られ、シンガポール~ハジャイ(タイ)間を1シンガポールドル(約70円)で発売したこともあった。

 

前回のライアンエアの項でも触れたのだが、ライアンエアやサウスウエスト航空などに代表される欧米の格安航空会社は使用料の安いマイナー空港を利用することでコストを削減しているのだが、一つの都市や地域で複数の空港が存在するケースの少ない東南アジアでは、格安エアラインも大手同様に都市の大空港を利用するケースがほとんどである。しかし、この流れは変わりつつあり、エア・アジアの本拠地、クアラルンプール国際空港(KLIA)では華美な装飾等を一切排した簡素な専用ターミナルビルが建設され、空港利用料を抑えて低価格の運賃の維持に努めている。同様の格安航空会社専用ターミナルは、シンガポール・チャンギ空港にもオープンした。

 

ノック・エア(Nok Air)
タイ国際航空(TG)の格安ブランドで、ノック(タイ語で『鳥』の意味)の名のとおり、鳥の絵が機体前面に描かれている。主にタイ国内線で運航されているが、国際線への進出計画もある。機材はTGのお下がりのボーイング737で、2年前に利用した時点では内装もそのまま。なので、格安航空会社にも関わらずビジネスクラスが残されていたり、乗務員もTGからの出向者が多くを占めていたりするので、彼女ら自身も乗務しているのがTGなのかノック・エアなのかよく分かっていないフシもあったりして、機内アナウンスでも「本日はタイ国際航空、じゃなかった、あはは、ノック・エアをご利用頂き・・・」などとタイらしいマイペンライさが満点のなんともユルいエアラインであった。一般に、格安エアラインは乗務員がキビキビ動き回る姿が印象的だったりするのだが、ここだけは異彩を放っていた。タイの雰囲気が好きな人にはたまらないだろう。
 

 

オリエント・タイ航空(Orient Thai Airlines)/One-Two-Go
ボーイング747で香港などへの定期便を運航する格安航空会社のオリエント・タイ航空が、タイ国内線を小型機で運航するときのブランド名が"One-Two-Go"。こちらの国内線自体は特にこれといった話題がないのだが、親元のオリエント・タイ航空はなかなかに面白いネタがあったりする。

尾翼にはタイの国旗をかたどったデザインが描かれているのだが、これがユニオンジャックを描いた英国のブリティッシュ・エアウェイズ(BA)にそっくりなのである。個人的には「なんちゃってBA」と呼んでいるオリエント・タイのジャンボ機、実はその多くは元JALの中古機。数年前、機材増強のため、台湾のチャイナエアライン(CI)から余剰となっていたジャンボ機購入を計画していたのだが、引渡しの直前、急なスケジュール変更で本来飛ばす予定のなかったこの機材をCIは一回限定で旅客運航に復帰させたところ、南シナ海上空で見事に空中分解して墜落。「そんな飛行機を売りつけるつもりだったのか!」とオリエント・タイの幹部が激怒したとか。そりゃそうだよなあ。また、少し前に日本にチャーター便でやってきた時、羽田への着陸直前、東京タワーにあと数百mのところまで異常接近して、「9.11の再来か!」と大騒ぎになったことがある。


こちらは"One-Two-Go"ブランドのタイ国内線バージョン。

本家英国のBA(左)と、タイのエセBA(右)

 

プーケット・エア(Phuket Air)
その名前の割にはタイ北部のローカル路線の運航が主で、特にプーケットをベースにしているわけではない。国内線では地味な存在であるが、ジャンボ機を用いたチャーター便の運航に積極的。日本の自衛隊がイラクに派遣されるときにも利用され、日本のニュースにも何度もその機体の姿が流された。

一時期、タイからロンドンへの定期便を運航していたのだが、相次ぐ遅延や欠航、サービス水準の低さなどから乗客の不評を買い、あっという間に運航停止になってしまった。さらに、安全面の理由でEUへの乗り入れが禁止された航空会社のリストに関し、アフリカや旧ソ連の得体の知れない航空会社が大半を占める中、アジアでは北朝鮮の高麗航空と並んで見事にランクイン。世界的にみれば航空先進国の部類に入るタイの航空会社でブラックリスト入りするとはかなりの快挙と言えよう。てっきり今でも運航を続けているものとばかり思っていたが、この会社のウェブサイトを見る限り、ひょっとして、もう潰れてしまったのかもしれない。

 

キングフィッシャー・エアライン(Kingfisher Airlines)
最後は、急速な経済発展に伴い、新興の格安航空会社が続々誕生しているインドから。

インドのビールブランド、Kingfisher Beerなどを中核とするUBグループの総帥で、インドの大富豪、ビジェイ・マルヤ(Vijay Mallya)氏が設立したエアライン。全席革張りのシートにパーソナルTVと、一般的な格安航空会社からは一線を画するが、話題性ではダントツなのでここで紹介。

客室乗務員は全員モデル出身というのがウリで、マルヤ氏自らが面接して採用を決定したという。彼の爆走ぶりはこれにとどまらず、会社設立から間もないうえに、さらに国際線での運航実績もないにも関わらず、何を思ったか、総2階建ての超巨大旅客機A380をいきなり発注。・・・どこに飛ばすんだ、一体。

うーむ、キャラとしてはドナルド・トランプとか関口房朗なんかと同じ匂いがするなあ。豪快な成金というか・・・どでかい花火を打ち上げて、見事開花するか、それとも華々しく散るか、今後の行方に要注目だ。


(左)真新しい機材と、
(右)その豪華な客室(手前はビジネスクラス)


インドで今、もっとも元気なエアラインを率いるVijay Mallya氏。いやー、それにしてもやんちゃそうなオジサンですねぇ~。

何でも欲しがるビジェイさん、一機およそ300億円もする巨大旅客機をなんと5機もお買い上げ。まあ、関口さんが何億もする競走馬を何頭も競り落としちゃうのとおんなじ感覚なんでしょうね、きっと。


ここに紹介した以外にも、アジアにはタイ、インドネシア、シンガポール、インドをはじめとして多くの国で格安エアラインが飛んでいるので、これらに乗ってみて、一味違う旅にするのも楽しいのではないでしょうか。(参考:世界のエアラインのウェブサイト一覧


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コメント 8

julius

おもしろい!キングフィッシャー・エアラインははじめて知りました。一度乗ってみたいです。ダッカに飛んでこないかなー。
by julius (2006-09-01 00:47) 

エアアジアは聞いた事ありましたが、他にもこんなにお得な会社があるなんて。
まだ実際利用した事は無いですが、これを使えば手軽にアジアを回れますネ(^^:)
by (2006-09-01 10:57) 

ちくりん

たくさん
キングフィッシャー、国際線開設にも積極的なので、近いうちにダッカにも就航するかもしれませんね。また、このエアラインの2レターコードが「IT」というのも、最近のインドを象徴していて面白いです。

LOCKさん
東南アジアの空の旅、本当に手軽になりました。予約も簡単なので、利用価値は大ですよね。
by ちくりん (2006-09-03 00:35) 

しょちょう

ノック・エアーはバンコク・チェンマイ間でよく使ってます。あの安さは何物にも代え難いです。
by しょちょう (2006-09-03 01:35) 

ちくりん

しょちょう
ノック・エアー使ってるんだー。エア・アジアもそうだけど、これ使っちゃったらTGの国内線はもう乗れないね。
by ちくりん (2006-09-04 20:44) 

d9ra

欧米の格安航空しか知りませんでした。こんなにあるんですね。
by d9ra (2006-09-07 09:29) 

ちくりん

d9raさん
日本にもスカイマークとかあったりしますけど、海外は日本とは比べ物にならないくらいたくさんの格安エアラインがありますね。今回調べてみて改めて実感しました。
by ちくりん (2006-09-08 23:28) 

lu---

こんにちは、はじめまして。
情報量のすごさにびっくりです。トラックバック失敗してしまいましたが、自分の11/6の記事でここを知りました。また遊びにきます。あとよかったらリンクしてやってください↑^^(勝手に自分のとこにリンクさせてもらいました。ダメだったらすぐ消します。教えて下さい)
by lu--- (2006-11-22 18:38) 

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